老犬の一日     20141017

老犬の一日   20141017

台風も去り、平和な秋晴れがこの週末の始まりらしい。ミルキーは、殆ど寝て過ごすので余り天候に左右されることはこのところないのだが、気候は良いに限る。

朝は、海ちゃんが起こしてくれ、抱えて一階に降ろしてくれるので、あまり暴れる事もないけど、調子の悪い時はついおしっこが出てしまう事が最近はしばしばある。

今日は、ことのほか調子が良いようだ。

僕が起きると、ほぼ朝ご飯は同じ時間帯になる。ミルは自分のご飯が終わると、僕のおこぼれを貰おうとしきりに顔色を窺って首を上下させ、時々涎をしたたらせ、床を汚しながら、パンの欠片か、バナナの一切れか、ヨーグルトの残りをじっと待ち続けているのだ。はた目には健気であるが、毎日を知っている僕には、老いて尚卑しい凄い老犬としか映らない。

本日は待った甲斐は、バターたっぷりのパン一切れと、ヨーグルトにはちみつをいれたものを5匙たべれたことであろう。

してやったりの嬉しそうな顔を未だに出来る事は、脅威としか言いようがないのである。それからは、海ちゃんと近所でおしっこをして、バギーでお米屋さんの処に行き朝のパンを貰って、少し散歩をして帰ってくる。

その間僕は、たくさんの薬を飲み、歯磨きをして、近くの公園だけ一緒に行くのである。今日は、公園でうんちをしたので気持ちよかったよね。

帰ってくるなりもう体力はなく、眠くてしょうがない。日の当たる暖かな場所で眠ろう。海ちゃんが出かけそうなことは、すぐに察して玄関に行くか、僕がいる事が確認できると眠りの入る。温灸をしてあげよう。 温かいよ。

なんとミルキーのまつげが嬉しそうに映るのである、ヨモギの香りが一面にあふれていて精神的に非常に気持ちいいように感じるのである。瞼を閉じたその顔があまりにあったかでありました。

もっとして欲しいと愛犬が云っているように見えるのが不思議である。癒しと云う表現がいかにも似合うのだ。いぬが笑う顔が浮かぶのです。

ふふふと声になりそうな今にも零れ落ちそうな笑みに、お休み。

時々、思い出したような表情を作り、短い足を、ごそごそ動かしては、手で瞼をこすり、静かに寝かしてねとさりげなく呟いてくる。

おばあちゃんになっても、いつまでも甘えさせてねと態度で示すのか、なんとか最後の寝付く前のあがきにも聞こえるが、聞いたふりをしておこう。

僕の顔をちらりと見て、まためんどくさそうに窓の方を向き直して、寝位置の確認をまたやりなおして、小さなため息を吐いたと同時に、小さな鼾をかき始めた。

半分だけ寝ているのであろうおばあさんは、ときどき宙をけるしぐさを繰り返し、大きな鼾に変わり寝入っているようだ。

いつもの身体の悪い猫、ひょこたん が、ちら見をして通りすぎた。114

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です