おいしい食事    20141115

おいしい食事

癌に侵されてからというもの、食事に於いて、無農薬とか生産地と云うものに以前とは比較にならぬ程あらゆる注意を海ちゃんは払っている。

朝は、野菜ジュースで、緑の野菜が中心であり、夜の野菜ジュースは人参が中心のジュースである。朝はそのジュースに始まり、自家製のジャムとはちみつ入りのヨーグルトと食パンと珈琲を飲む。

食道を無くしているので、これだけ食べるのもほぼ30分から40分を要する。

顎部分に多大な傷跡が残っており、未だ神経が上手くつながっていないので、少しの痺れと、顎を半分に切断しているのでまだまだ大きな口が開かない事も在り、食事後は顎がとても疲れるのである。

唯、以前よりしっかりと口が開き、綺麗に開閉出来るようには鍼灸治療で治っている。見た目と違い、傷みが頸筋に走る為、非常に厄介であるが、以前より食べ物がおいしくなってきた。

五感とは不思議なもので、しっかり噛んで口の中で味を感じて見た目の視覚に反応を告げているので、口の中が痺れていた以前は、全く美味しいという感じは思い込みに近かったように思う。

お昼は、軟らかめに炊いてくれた五穀米で親子どんぶりをし、野菜サラダを少しと、茄子とまぐろのアラ煮を摘んだ。

休憩の合間は、はちみつ入りのコーヒーである。

超音波による頸と肩のマッサージを自分でおこない、体調を整えるのがほぼ毎日の日課であり、中井道仁先生から教わった呼吸法をほぼ一時間行い体力向上を図る。

右頬に移植した右股はたくさんの肉を失い行き場を無くした空間をゆがめるように縫合されていて運動のたびに未だ想いしこりを残している。

一息ついて夜はきのこと山芋と玉子の入ったうどんをメインに、お好み焼きを少しと、おでんのだいこん、平天、こんにゃく、牛筋を頂く。一度には入りきらないので、一時間半ほどの時間差を入れて二度に分けて食べるのがほとんどである。

今日は、海ちゃんが知人から頂いた阿闍梨餅(あじゃりもち)を食べたのだが、本当に美味しかった、なぜ今まで知らなかったのだろう、感激である。

頸の傷みが少しづつ軽くなっているのが本当に食事を終えた後にわかる、顎の痛みが減ってきていることと、食後も話をきっちり口にできるようになってきているからである。

本当に有難い限りである。毎日第二の人生に向かって蘇っているのだ。

毛細血管がざわついているような命を感じているのか、頬がピクリと動いた。

 

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