組立    2019630

組立                         20190630

小さい頃、兄からのお下がりの積み木を幾度も積み上げた。

四角の木の端っこがだんだん削れて丸みを帯びて複雑な立て方は難しくなる。

もちろん、四隅は手垢と汚れで黒ずんでいる。

いつもドミノ倒しで始まり、最後もドミノ倒しで終わる。

数が確か48個ではなかったかだろうか? 畳の部屋で、たたみのつなぎ目が来るとまっすぐに立てられず、少しずらすのだが、計算上は届いても、畳の淵の高さがじゃまをして、気が付くとまっすぐに倒れず、途中で止まることに違和感を覚え、何度も挑戦した。

すると時々、勢いと角度が思いのほか激しくなり 積み木のひとつが飛ぶように立てている積み木めがけてタックルをかますことが在る。

この時はどれもが驚くような速さで倒れて最後まできっちりとあっという間に終わってしまう。

ちょっとした立て方と積み木の足場の削れ具合で痛んだ積み木ならではの偶然に驚くのだ。

ただし、組立小屋はむつかしい。すり減った面が綺麗にかみ合わずまっすぐ立ってくれないから、とっかえひっかえで偶然を探すことになる。

そうこうしているうちに、工夫という事を自然と覚えていくような気がする。

時々幼稚園で遊ぶ友達が隣に座って笑いながら見ているような気になり、綺麗に組みあがる瞬間に(ほーら)と云いながら 鼻の下を人差し指でこすっているのだ。

誰もいないことにふと気づき、明日は外で遊ぼう と誰にともなくつぶやく。。

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