目覚めと共に血圧を測るが、やはり100あるかないかである。朝食がきつく、ひょっとすると抗がん剤の影響かもわからない。食事も看護婦に見てもらい、これだけ食べればいいですよの範囲迄は頑張って食してやめる。しばらくして海ちゃんが来て、昼ご飯はやはり魚(鱈)は喉につかえて食べれないのと、臭みを抜く作業も出来ていないので非常に食べづらい。お手上げである。抗がん剤治療から2日間の検尿が終わり、やっとシャワーを浴びれることとなる。天皇賞が終わったら入るとしよう。なぜか1年間で最初で最後の競馬になるのだが、頭があまり働かず、感も予測も甘い気がしていたのであるが、なんと3連単と、馬連を当ててしまったのである。沢山掛けてなかったから、ちょっとだけ勝ち、いい年末になりそうである。海ちゃんが喜んでいるのが、僕の声が少しずつ大きくなっていることで余程状況が今までより良く映ったのであろう。反回神経が治ればいいねと夢見ながら毎晩声を出す練習を少しづつでもせんといかんね。晩御飯は頑張って食べよう、なんとしても流し込まねばならない。
闇雲に、色々取り組んでいるが、光明は見えてこない。のどに詰まることが咳を引き起こし、咳が怖くて少しづつ食べると、空気で腹が張るのである。最も恐ろしいのは反回神経麻痺でご飲をして気管に食べ物が入ってしまうことである。これは、肺炎を起こす起爆剤であり、一つ間違えば、死に至るのである。焦るな、一歩一歩確実に歩こう。後ろを振り向かないで、頑張れ豊年、負けるな ほうねん と自分に言い続けよう。